法律行為では、不作為犯という用語があります。

 不作為犯とは、どういう行為のことでしょう。

 

それは、一定の行為をしないことによって、犯罪が実現することです。

 

そんなことがあるかと思うかもしれませんが、次のようなケースがあるのです。

 


たとえば、母親が赤ん坊に授乳しないで餓死させるように、積極的な動作をせずに犯罪となるものです。

 

これは、本来するべきと期待される行為をする義務のある者が、それをしなかった場合に、成立します。

 

義務があるかどうかは、次によって決まります。

1.法律:例えば、親が子供を扶養する義務など

2.契約・事務管理:子守契約など

3.慣習・条理:例えば、運転事故をおこした運転手が被害者を救助する義務など

 

ただ、母親が自分の子供が川で溺れているのを見つけたが、泳げなかったために救助することができなかった場合には、義務があってもすることができないので、不作為犯は成立しません。