万葉の恋歌のやり取りを紹介します。

 

むしふすま なごやが下に 伏せれども 妹とし寝ねば 肌し寒しも

                               藤原 麻呂

 

温かい掛布団にくるまって寝ていても、あなたと一緒じゃないので肌寒いよう、というストレートな歌です。

 

 

来むと言うも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを

                               坂上 郎女

 

あなとは来ると言っても来ないで、すっぽかすときがある人だから、来ないとおっしゃるのに、もしや来るかなと待ったりはしないわ、来ないとおっしゃるのですもの、という意味。ややこしいです。

でも来てねというすねた歌いぶりです。

 

いつも変わらない男女のやりとりですね。