理事は、その個人的な能力や資質に着目し、法人運営を委任されている者であることから、自ら理事会に出席し、議決権を行使することが求められます。
したがって、理事会が開催された場合には、社員総会について認められているような、議決権の代理行使は認められていません。
また、評議員についても、理事と同様、個人的な能力や資質に着目して委任を受けた者であり、評議員会が執行機関に対する牽制・監督を行う機関として十分にその機能を果たすためには、その運営につき、理事会と同様の規律に従うことが相当とされ、議決権の代理行使は認められていません。
それでは、一般社団、一般財団の場合、理事会、評議員会において書面投票や電子投票をすることはできるのでしょうか。
原則には、できません。その理由は以下のとおりです。
また、理事会における協議と意見交換に参加していない者が、その情報を知る前に、事前に書面投票や電子投票を行うということは、責任ある議決権の行使とはなりません。
したがって、理事会が開催された場合には、社員総会について認められているような、議決権の代理行使および書面又は電磁的方法による議決権の行使は認められていません。
また、評議員についても、理事と同様、個人的な能力や資質に着目して委任を受けた者であり、評議員会が執行機関に対する牽制・監督を行う機関として十分にその機能を果たすためには、その運営につき、理事会と同様の規律に従うことが相当とされ、書面又は電磁的方法による議決権の行使は認められていません。
ただし、円滑な法人運営のため、一般社団・財団法人法においては、定款に定めを設けることにより、理事会の決議の目的である事項につき、理事全員が同意し、かつ、監事が異議を述べないときに限り、書面又は電磁的方法により決議することができるものとされています(一般社団・財団法人法第 96条、第 197 条)。
例えば、電子メールにより理事会決議を行う場合、メールにより議案の内容を理事と監事の全員に伝達し、事務方が理事全員から議案に同意する旨の電子メールを受け取り、監事に異議がないことを確認した上で、理事会決議の議事録を作成することにより手続きは完了します。
もっとも、一堂に会した理事会とは異なるので、例えば、他人のなりすましによる議案への同意のメール送信のおそれを排除するため、後に無効とならないよう、同意表明が本人の意思に基づくものか電話などで確認しておくことも有効です。
このような方法を活用することにより、すべての理事の意向に基づく理事会決議を、機動的に行うことが可能となります。
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