あなたは、人質司法という言葉を聞いたことがありますか。

人質司法とは、どういう意味なのでしょうか。

また、日本は人質司法をやっているのでしょうか。

 

それについて、法務省のホームページの質問コーナーで回答されていますので、ご紹介いたします。

以下は、その内容です。

 

人質司法とは,日本の刑事司法制度について,被疑者・被告人が否認又は黙秘している限り,長期間勾留し,保釈を容易に認めないことにより,自白を迫るものとなっているなどと批判され,そのように称されています。

 

しかし,日本の刑事司法制度は,身柄拘束によって自白を強要するものとはなっておらず,人質司法との批判は当たりません。

 

日本では,被疑者・被告人の身柄拘束について,法律上,厳格な要件及び手続が定められており,人権保障に十分に配慮したものとなっています。

 

すなわち,日本の刑事訴訟法の下では,被疑者の勾留は,捜査機関から独立した裁判官による審査が求められており,具体的な犯罪の嫌疑を前提に,証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合等に限って,認められます。

 

また,被疑者は,勾留等の決定に対して,裁判所に不服申立てをすることもできます。

起訴された被告人の勾留についても,これと同様であり,証拠隠滅のおそれがある場合などの除外事由に当たらない限り,裁判所(裁判官)によって保釈が許可される仕組みとなっています。

 

その上で,一般論として,被疑者・被告人の勾留や保釈についての裁判所(裁判官)の判断は,刑事訴訟法の規定に基づき,個々の事件における具体的な事情に応じて行われており,不必要な身柄拘束がなされないよう運用されています。

 

日本の刑事司法制度は,身柄拘束によって自白を強要するものとはなっておらず,人質司法との批判は当たらない、とのことです。

 

 

日本では,逮捕,勾留に当たり,被疑者の逮捕については,現行犯の場合を除き,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合に限って行うことができます。

 

この場合,捜査機関とは独立し,捜査には関与しない裁判官の発する令状によらなければできません。

 

被疑者の勾留については,検察官が請求し,独立の裁判官が,犯罪の具体的な嫌疑があり,かつ,証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれ等があると認めた場合に限り,一つの事件について,10日間認められ,裁判官がやむを得ない事由があると認めた場合に限り,10日間を限度として延長が認められます。

 

複数の犯罪を犯した疑いがある場合に,それぞれの事件ごとに,逃亡や証拠隠滅を防止しつつ十分な捜査を遂行するため,裁判官がその必要を認めて許可したときには逮捕・勾留することができます。その結果として身柄拘束が続くこともある、とのことです。