民法に、以下の規定があります。
民法:(動物の占有による権利の取得)
第百九十五条 家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。
わかりにくいですが、家畜以外の動物を拾ってきた場合は、ペットであることを知らないで、持ち主から1カ月以内に返してくれといわれない限り、その動物を自分のペットにすることができるということです。
そこで問題となるのが、家畜以外の動物とは何かです。
すぐ思い浮かぶのは、牛、馬、豚、鶏でしょう。
これらの家畜は、通常誰かが飼育している動物ですから、その飼い主が誰かがわからないとしても、どこかに飼い主がいるはずですから、それを捕まえただけでは、自分のものにすることはできないのです。
それでは、犬はどうでしょうか。
家の近所に迷い込んできた首輪も付けていないが誰かが飼っていた犬がいたとします。
それを自分の犬にしようとして捕まえた場合です、
しかし、犬は家畜外の動物とは言えないと考えられています。
野良犬を除けば、人の支配に属さないで生活するのを、通常の状態にしている動物とは言えないからです。
したがって、逃げ出した後、1カ月を過ぎても、飼い主から返還請求されないとしても。その犬を自分のものにすることはできないのです。
この場合は、遺失物として警察に届け出て、所定の手続きを経ることによって、所有権を取得することができます。
ただ、誰の所有にも属さない野良犬の場合は、自分のものにしようとして捕まえれば、その犬の所有権を取得することができます、
民法:(無主物の帰属)
第二百三十九条 所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
<PR>