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2021年12月

正当防衛という言葉は、よく聞くと思いますが、似たものに、緊急避難というものがあります。

 刑法37条第1項では、次のようになっています。

 

(緊急避難)

第三十七条 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

 

緊急避難は、危険に瀕している自己又は他人の生命、身体、自由、財産を救うために、特に許された行為ということで、正当防衛に似ています。

 

しかし、正当防衛は、急迫不正の侵害に対する反撃であるのに対して

緊急避難は、現在の危難の発生原因とは無関係の第三者の正当な利益をやむなく侵害する行為です。

 

つまり、正当防衛は、「不正対正」であるのに対して、緊急避難は「正対正」の関係にあります。

 

緊急避難が成立するためには、次の要件が必要です。

.

1.現在の危難であること

現在とは、侵害の状態が現に存在していること、またはまじかに迫っていることが必要です。

 

危難の原因は、人の行為、自然環境、動物の挙動であってもよいとされています。

 

たとえば、他の人の飼い犬が突然襲いかかってきたときに、持っていた棒でその飼い犬を殺しても、緊急避難が成立します。

 

2.やむを得ずにした行為であること

危機に瀕している自己又は他人の生命、身体、自由、財産を救うための唯一の方法で、他に可能な方法がないことです。

 

したがって、他に避難の方法があった場合は、緊急避難は許されません。

 

そして、必要最小限の行為であることが、必要です。

 

3.法律上の利益が、均衡していること

緊急避難は、「正対正」の関係であることから、その行為により生じた害が、避けようとした害の程度を超えないことが必要です。

 

したがって、価値の小さいものを救うために、価値の大きいものを害する行為は、緊急避難にならず、過剰避難になります。

 

正当防衛という言葉は、よく聞くと思いますが、どういう場合に認められるのでしょうか。

 刑法36条では、次のようになっています。

 

(正当防衛)

第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

 


たとえば、誰かが突然殴りかかってきたときに、自分の身を守るために殴り返して相手に障害を負わせた場合、正当防衛が成立し、障害罪の責任を負うことはないわけです。

 

だたし、防衛の限度を超えて殴りすぎた場合は。そのときの情状によって、

刑が減軽、または免除されることになります。

 

1.急迫性

 

正当防衛が成立するためには、まず、「急迫性」があることが必要です。

危害が、現に存在しているか、またはまじかに差し迫っていることです。

 

したがって、正当防衛は、将来の侵害に対しては認められません。

 

2.不正 

 

不正とは、法の秩序に反していること、すなわち違法であることです。

適法な行為に対しては、正当防衛は成立しません。

 

3.侵害

 

侵害とは、他人の権利に対して、実害または危険を与えることです。

 

4.防衛

 

防衛の意思をもって、反撃行為をすることが必要です。

やむを得ずにした行為であることが必要です。

 

そして、必要性が必要です。

ただ、相手側の侵害に対して逃げることは可能であったが、相手側に対して反撃行為を行っても、正当防衛は成立すると言われています。

 

また、守られるべきものと、侵害するものが、著しく均衡を失っていないことが必要です。

法律行為では、不作為犯という用語があります。

 不作為犯とは、どういう行為のことでしょう。

 

それは、一定の行為をしないことによって、犯罪が実現することです。

 

そんなことがあるかと思うかもしれませんが、次のようなケースがあるのです。

 


たとえば、母親が赤ん坊に授乳しないで餓死させるように、積極的な動作をせずに犯罪となるものです。

 

これは、本来するべきと期待される行為をする義務のある者が、それをしなかった場合に、成立します。

 

義務があるかどうかは、次によって決まります。

1.法律:例えば、親が子供を扶養する義務など

2.契約・事務管理:子守契約など

3.慣習・条理:例えば、運転事故をおこした運転手が被害者を救助する義務など

 

ただ、母親が自分の子供が川で溺れているのを見つけたが、泳げなかったために救助することができなかった場合には、義務があってもすることができないので、不作為犯は成立しません。

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