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2021年09月

■名誉毀損罪をご存じですか? 

あなたは、名誉毀損罪というものをご存じですか。

 

名誉毀損罪とは、刑法230条で規定されている罪です。

 

(名誉毀損)

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

 

(公共の利害に関する場合の特例)

第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

 

名誉毀損罪が成立するためには、3つの要件が必要です。

 

一つ目は、「公然」です。「公然」とは、他の人に広まる可能性があることを言います。

たとえば、職場で皆がいる前で侮辱された場合や、CCに多数の関係者を含めた

メールで侮辱された場合です。

 

個室で、1体1で侮辱された場合は、あてはまりません。

 

二つ目は、「事実を摘示」です。「事実を摘示」とは、事実として周囲に伝えること言うため、必ずしも事実であるとは限りません。嘘でも事実のように伝えた場合は、名誉毀損罪が成立します。

 

また、事実であったとしても、それによって相手の名誉が傷つけられた場合は、名誉毀損罪が成立します。

 

3つの要件が、「名誉を毀損」です。名誉とは、民事・刑事においては、「社会的名誉」です。個人や企業が社会から受ける評価です。

 

ただし、

・公共の利害に関する事実

・公益を図る目的

・真実であることの証明がある

場合には、名誉毀損罪にはならないとされています。

 

名誉毀損罪となった場合は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金になります。

 

■あなたは、相続欠格や相続廃除をご存じですか? 

法定相続人の権利を持つ立場にあっても、その権利を行使できないどころか、奪われてしまう場合があります。

 

それが、相続欠格や相続廃除です。

 

この2つは、相続人にふさわしくないと判断されて、その立場を奪われるものです。いずれの場合も、相続はもちろん、被相続人が遺言によって財産を無条件で相続人以外に譲渡する遺贈も受けられません。

  

1.相続欠格

どのような場合に、相続欠格になるかは、民法で、以下のとおりとなっています。

 

・故意に被相続人や先順位や同順位の相続人を死亡させたり、死亡させようとしたことを原因として、刑に処せられた者。

 

・被相続が殺されることを知りながら告訴告発をしなかった者。

・詐欺・脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言を取り消し変更することを妨げた者。

・詐欺・脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせるなどをした者。

・被相続人の遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した者。

 

要するに、相続人自身が、被相続人である親を死亡させた、遺言書を勝手に偽造した、などといった犯罪をした場合に、相続欠格となるのです。

 
2.相続廃除

次に、どのような場合に、相続廃除になるのでしょうか。

 

世の中には、平気で親に暴力を振るうといった信じられない非行を繰り返す子供もいます。

そうした場合、いくら親であっても、この子には相続させたくないと思うでしょう。この被相続人の思いを法的に有効にするのが、相続廃除です。

 

被相続人に対して、生前、虐待、侮辱または著しい非行があり、家庭裁判所が申立てを認めた場合は、相続廃除をすることができます。

 

相続廃除をする方法は2通りあります。

 

1つは、被相続人が生前に家庭裁判所に申立てることです。

2つ目は、遺言でその旨を記載し、相続開始後に、遺言執行者が家庭裁判所に申立てることです。

 

なお、相続廃除は、事後的に取り消すことができます。

 

ただ、相続欠格も相続廃除も、その子供は代襲相続が可能ですので、注意が必要です。

 

■借金などは、相続税の課税価格から控除されるのでしょうか? 

借金などは、相続税の課税価格から控除されるのでしょうか。

 

答えはされます。

 

被相続人の債務で、亡くなった時点で現に存在する、銀行未払金や未払医療費、未払税金などは、課税価格から控除されます。

 

ただし、墓地・仏壇等の非課税財産の未払金や、相続人の過失によって徴収された延滞税などは、控除できません。

 

また、被相続人にかかる通夜費用や葬式費用、お寺へのお布施なども控除できます。

 

ただし、初七日法会費用や香典返し費用、墓碑・墓地の買入費、墓地の借入料などは控除されないので注意しましょう。

■熟年離婚について:離婚時の年金分割などはどうなるか?

 

離婚したときの、その後の生活資金をどうするかは、とっても大切ですね。

 

特に、熟年離婚となった場合、老後の生活設計をどうするかは、離婚するかどうかの重要な判断材料です。

 

子供も独立していれば、養育費はもらえません。

 

それまでの夫婦の共同財産の財産分与はどうでしょう。

家があっとしても、ローンが残っている場合は、その分を差し引いた残りの部分の半分になります。

 

貯金があったとしても、借金を差し引いた残りの部分の半分です。

あとは年金しかありません。

 

あなたは、離婚したときに、相手側が受け取る厚生年金の分割で、どの程度もらえるかご存じですか。

半分をもらえると思っていたら、大きな間違いです。

 

あくまで対象となるのは、婚姻中の期間に相当する部分だけです。

 

法律的には、婚姻中に納めた厚生年金の保険料を、夫婦共同で納めたものとみなして、離婚した場合には、結婚した期間に相当する分の老齢厚生年金を、夫婦で分割することとなっています。

 

分割のいう対象には、老齢基礎年金(国民年金)は含まれません。

 

したがって、婚姻期間中の収入の多い人が、少ない人に対して、一部をあげるという方法になります。

 

決して、半分をまるまるもらえることにはなりません。

 

また、この年金分割制度がスタートしたのは、平成19年4月からですので、

この制度が施行される以前は、財産分与の対象になるとする判例もありますが、否定した判例もあり、裁判所の判断は分かれていました。

 

従いまして、平成20年3月までの婚姻期間に対応する年金分割は、話し合いにより解決することとなっています。

 

話し合いがつかないときは、家庭裁判所が決めることとなります。

 

平成20年4月以降は、自動的に半分になります。

 

たとえば、結婚したのが、夫が35歳のときだったとすれば、60歳で離婚した場合は、60歳-35歳=25年分のみが対象となり、夫の35歳ー20歳=15年分は対象とならないということです。

 

なお、分割請求の手続きは、離婚成立後2年以内に行わなければならないので、注意が必要です。

 

一方、慰謝料の方は。基本となる額はありません。300万円から400万円が、日本の財産分与、慰謝料の平均と言われています。

 

このように、実務上は、慰謝料と財産分与は併せて処理されることが多いようです。

 

なお、慰謝料の請求権は3年以内です。

 

離婚後に生活も困るというはめに陥った場合は、福祉事務所に保護申請書がありますので、必要事項を書き込んで提出します。

 

また、地域には民生委員がいて相談にのってくれますし、福祉事務所でも相談にのってくれます。

 

保護の内容は、生活保護、教育扶助、住宅扶助、医療扶助などです。

 

なお、利用するに当たっては、所得制限、受給資格などの問題もありますので、福祉事務所や市町村の福祉課で相談してください。

 

熟年離婚のポイントをまとめると、

 

・熟年離婚では、長い婚姻生活の清算が必要で、簡単にはいきません。

 

・離婚時年金分割があることも頭に入れておきましょう。ただし、単純に半分にはなりません。

 

・離婚後の生活設計をどうするかを考えましょう。

・熟年夫婦の離婚は、悲惨な結果となる場合もあるので対策は万全にしましょう。

■裁判所が認める離婚原因をお存じですか?

あなたは、裁判所でどのような場合に離婚が認められるか、知っていますか。


民法では、離婚原因を、次のケースと定めています。

 

【第七百七十条 

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

 

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

 

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

 

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

 

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。


五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。】

 

このように、離婚原因は、第1項に記載されているとおりですが、第2項にありますように、離婚原因があっても、必ず離婚の判決がでるかといえば、そうでもありません。

 

結婚は破綻していないとされるケースがあるからです。

 

第1項第1号は、浮気などです。


第2号は、夫婦の同居義務、扶助義務を果たさない場合などです。

第3号は、行方不明などです。

第4号は、そのままです。

第5号は、性格の不一致・性的な不満などで、具体には婚姻関係が破綻しているかどうかを基準に、裁判所が判断します。

 

離婚については、さまざまな判例がありますので、今回は第1号の不貞な行為、いわゆる浮気について取り上げてみます。

 

勝手に別居して別な女性と暮らし、一方的につくった婚姻破綻を原因として離婚を請求しても認められないというのが原則です。 

 

しかし、昭和62年に最高裁判所の判例変更があり、責任ある配偶者からの離婚請求も認められるようになりました。

 

婚姻が真に破綻したのであれば、だれの請求であっても、離婚も止むを得ないというものです。

 

ただし、離婚で配偶者や子に著しい生活の困窮や耐え難い苦境をもたらすときなどは離婚請求が認められませんので、扶養、慰謝料、財産分与、子の養育費などが充たされなければ、離婚は認められないでしょう。

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