誤嚥性とは、飲み込む力が老化などにより低下してくると、食べ物や飲み物、唾液などが食道に入らずに、その手前にある気管に入ってしまうことです。

 食べ物や飲み物、自分の唾液などには、口のなかなどの様々な細菌がついています。

元気で体力がある方は抵抗力も強いので、こうした細菌に負けることはありませんが、抵抗力の落ちた高齢者の場合は、誤嚥によって気管に食べ物が入り、そこについた細菌が肺にまで入り込んでしまうことから、肺が炎症を起こしてしまうことがあります。

それが、誤嚥性肺炎です。

 

この症状を防止するためには、嚥下機能のエクササイズが重要になってきます。

 

「飲み込む力を鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ」(笠倉出版社)には、誤嚥性肺炎を防ぐエクササイズが載っていますので、いくつかご紹介したいと思います。

 



1,誤嚥性肺炎の症状

まず、誤嚥性肺炎の症状は、次のようなものです。

 

 <一般的な症状>

・発熱(37.5以上)

・肺の雑音がする

・せきが7日以上続く

・粘り気のあるたん、黄色や緑色のたんが出る

・息苦しい

・動機がする、脈が速い

・悪寒がする など

 

<高齢期で症状が出にくい人>

・熱が出ない、もしくは微熱程度

・せきやたんなどの症状があまりみられない

・なんとなく元気がない

・食欲がない

・ぼーっとする

 

誤嚥性肺炎が疑われる場合は、急いで病院にいきましょう。

レントゲンを撮影してもらえば、すぐに分かります。

 

2.嚥下機能強化エクササイズ

(1)舌のトレーニング

・舌を出す

   

・舌を左右に動かす

   

・舌を上下に動かす

 

(2)口のトレーニング

・口を縦に開ける

   

・口を閉じる

   

・口を横に開ける

   

・口を閉じる

 

(3)パタカラ体操

1音につき5秒程度が目安

・パ:唇をしっかり閉じてから発音する

      

・タ:舌を上あごにくっつけて発音する

      

・カ:のどの奥を閉じて発音する

      

・ラ:舌を丸めて、舌の先を上あごの前歯の裏につけて発音する

 

(4)あいうべ体操

あ:口をおおげさにする。

     

い:口をおおげさにするよう意識する

      

う:なるべく大げさに開けるようにする。

     

べ:舌をあご先まで伸ばす気持ちで出す

 

その他にも、いろいろな方法が載っています。

 

あなたも、最近むせることが多くなっていたら、誤嚥性肺炎にならないように、

是非エクササイズしてみましょう。