■野犬にかまれて大ケガをした。市に責任を問えるでしょうか? 

郊外に家があって帰宅途中、雑木林から野犬が襲ってきて、何か所か噛まれました、その雑木林には、1年以上前から野犬が多くたむろしていて、以前にも噛まれた人がいて、市に対して捕獲を促していましたが、市は放置したままでした、

このケースで、市に対して、責任を問えるでしょうか。

 

「狂犬病予防法」では、予防員は、登録を受けず、もしくは鑑札をつけず、または予防接種を受けず、もしくは注射済票をつけていない犬が認められたときは、これを抑留しなければならない、となっています。

これは、狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、これを撲滅することにより、公衆衛生の向上および社会全体の福祉の増進をはかるためです。

ただ、行政は、その専門性・技術性が高いため、行政がするかどうかは、裁量が認められています。

このケースでは、すでに被害者が出ており、市に対して捕獲の要請もされていましたので、市は捕獲する義務に違反しており、賠償責任があると思われます。