■あなたは、相続欠格や相続廃除をご存じですか?
法定相続人の権利を持つ立場にあっても、その権利を行使できないどころか、奪われてしまう場合があります。
それが、相続欠格や相続廃除です。
この2つは、相続人にふさわしくないと判断されて、その立場を奪われるものです。いずれの場合も、相続はもちろん、被相続人が遺言によって財産を無条件で相続人以外に譲渡する遺贈も受けられません。
1.相続欠格
どのような場合に、相続欠格になるかは、民法で、以下のとおりとなっています。
・故意に被相続人や先順位や同順位の相続人を死亡させたり、死亡させようとしたことを原因として、刑に処せられた者。
・被相続が殺されることを知りながら告訴告発をしなかった者。
・詐欺・脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言を取り消し変更することを妨げた者。
・詐欺・脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせるなどをした者。
・被相続人の遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した者。
要するに、相続人自身が、被相続人である親を死亡させた、遺言書を勝手に偽造した、などといった犯罪をした場合に、相続欠格となるのです。
2.相続廃除
次に、どのような場合に、相続廃除になるのでしょうか。
世の中には、平気で親に暴力を振るうといった信じられない非行を繰り返す子供もいます。
そうした場合、いくら親であっても、この子には相続させたくないと思うでしょう。この被相続人の思いを法的に有効にするのが、相続廃除です。
被相続人に対して、生前、虐待、侮辱または著しい非行があり、家庭裁判所が申立てを認めた場合は、相続廃除をすることができます。
相続廃除をする方法は2通りあります。
1つは、被相続人が生前に家庭裁判所に申立てることです。
2つ目は、遺言でその旨を記載し、相続開始後に、遺言執行者が家庭裁判所に申立てることです。
なお、相続廃除は、事後的に取り消すことができます。
ただ、相続欠格も相続廃除も、その子供は代襲相続が可能ですので、注意が必要です。
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